前回は「レンタルサーバーの選び方」をお話ししました。
ドメイン・サーバーが揃ったら、いよいよWordPressのテーマ(テンプレート)を選びます。
どんなテーマがいいかは、最終的には業界や出したいイメージなどで決まるものです。
ただ、イメージに合うものが複数あるなかで「他にどんな基準で選ぶべきか」と迷うことも多いでしょう。
ここでは、業種やイメージ以外の「使いやすさ」の部分で、テーマを選ぶときに見るべきポイントを解説します。
WordPressテーマのおすすめの選び方!チェックポイント
- ブロックエディタの専用ブロックが用意されているかどうか
- 再利用コンテンツ管理機能があるかどうか
- プラグインを最小限にできるかどうか
- AMP対応ができるかどうか
- canonicalタグを簡単に設定できるかどうか
- LPのカスタム投稿タイプがあるかどうか
- 高速化施策ができるかどうか
①ブロックエディタの専用ブロックがあるか
ブロックとは「表・リスト・ボタン」などを、簡単に挿入できる機能です。
そして、テーマによってその機能を発展させた「専用ブロック」があります。
たとえば、下のバナーはSWELLの専用ブロックの1つ「バナーリンク」で作ったものです。
上のバナーは、
- 画像を選ぶ
- 文言を入れる
という2ステップだけでできます。
実際の操作画面は下のとおりです。
まず、下の画面で画像をアップロードします。
アップロードしたら、文字の入力画面になります。
文字を入れている画面は下のとおりです。
SWELLの場合は、他にも下のように多数の専用ブロックがあります。
このように専用ブロックが多いテーマほど、高度なデザインを簡単にできます。
②再利用コンテンツ管理機能があるか
再利用コンテンツとは、いわゆる「定型文」です。
たとえば、リード文の後で下の赤枠のような「冒頭の宣伝」が出るパターンを、よく見るでしょう。
こうした内容を「再利用コンテンツ」に登録すると、毎回簡単に呼び出せます。
たとえば、上のページをSWELLでいじっている画面は下のとおりです。
まず、最初は下の画像のとおり、リード文の後に何もありません。
しかし、ここから、①「再利用可能」⇒②「SWELL宣伝ブロック」という順番で呼び出すと、下のように宣伝ボックスを挿入できます。
赤丸で囲った「SWELL宣伝ブロック」というボタンを押せば、最初にお見せした画像のように、SWELLのバナーが配置されるわけです。
実際に作業したページのサンプルはこちらです(ここまでお見せした画像の実物ページです)。↓
③プラグインを入れずに済むかどうか
WordPressには、拡張機能として「プラグイン」があります。
これなしで動くテーマの方が、当然簡単です。
たとえば、下記の「THE THOR」は、プラグイン不要で動くテーマの代表的なものです。
出典:THOR・デモサイト
プラグインなしで動くテーマは簡単に使えるだけでなく、速度が向上するメリットもあります。
(プラグインも速度低下の原因となるため)
④AMP対応しているかどうか
AMPとは「モバイルページを高速表示する技術」です。
このAMPに対応していると、スマホでの表示速度が早くなります。
AMP対応は「自分でプラグインを入れて対応する」という方法もあります。
しかし、この方法はテーマによってはエラーが起きる恐れがあるため、初心者の方にはおすすめできません。
初心者の場合、最初からAMP対応しているテーマがおすすめです。
上記のテーマは、最初からAMPに対応しているものです。
⑤Canonical設定が簡単にできるか
Canonical設定とは「似たようなページがいくつかあるときに『どれがメインのページか』をGoogleに伝える」設定です。
たとえば、不動産の物件情報サイトを作るとします。
そして「茨城県牛久市」のページを作るとしましょう。
そのとき「並び替え」も含めると「牛久市」だけで下のように複数のページができます。
出典:SUUMO
①メイン | https://fudosan.com/ibaraki/ushiku/ |
---|---|
②安い順 | https://fudosan.com/ibaraki/ushiku/?cheap |
③高い順 | https://fudosan.com/ibaraki/ushiku/?expensive |
④新着順 | https://fudosan.com/ibaraki/ushiku/?new |
⑤築年順 | https://fudosan.com/ibaraki/ushiku/?year |
⑥住所順 | https://fudosan.com/ibaraki/ushiku/?adress |
これらは、どのページも内容がかなり重複します。
並び替えこそしているものの、掲載されている物件は同じだからです。
このまま放置すると、Googleは「5つも似たようなページを作っている」と判断します。
低評価の原因となる「コピーコンテンツ」と見なされ、順位が落ちるのです。
このような誤解を防ぐために、Googleに対して「これらのページは、すべてメインのページと同じものです」と伝えます。
「②安い順~⑥住所順」のページの中に「メインのURLは①のものです」という、Googleへの「伝言」を残すのです。
それが「Canonical設定」です。
「メインのURLは①のものです」という内容を、コードで書くと下のようになります。
<link rel=”canonical” href=”https://fudosan.com/ibaraki/ushiku/”>
上のコードを、②~⑥のページに入れることで、Googleから誤解されずに済むわけです。
この設定をWP上から簡単にできるテーマ
代表的なものは「SWELL」です。
下のように、投稿の編集画面の下部に「canonical」という欄があります。
拡大すると下のとおりです。
ここに、先ほど黄色マーカーで示した正規URL「https://fudosan.com/ibaraki/ushiku/」を入れればいいわけです。
⑦LP型のカスタム投稿タイプがあるか
LPとは「ランディングページ」のことです。WEB集客をしていくうえでLPは欠かせません。
WordPressはもともと「記事」を書くことを想定して作られています。
このため、LPをスムーズに作成するには「LP型」のページを作るメニューが必要です。
上の画像はSWELL公式サイトのLPですが、リンク先を見ていただくとわかるように、全面に動画を配したインパクトのあるページです。
LP型のカスタム投稿タイプがあると、このようなLPを簡単に制作しやすいのがメリットです。
(もちろん、LPは動画メインのものでない、文字や画像メインのものも作成できます。※むしろWordPressでもそちらが主流です)
⑧サイトの高速化施策が施されているか
WordPressは、普通のWEBサイト(WPなどのプログラムを使わずに作るもの)と比べて、速度がわずかに遅くなります。
ユーザーのアクセスがあるたびにプログラム(特にプラグイン)が動くので、その分スピードが落ちるわけです。
しかし、これは「高速化の対策をしていない」場合です。
対策さえしていれば、WPでも普通のWEBサイトと同様の高速表示を実現できます。
(むしろ、スピードを意識していない普通のWEBサイトより速くなります)
高速テーマのランキング上位はほとんど海外テーマ
「高速なWPテーマ」のランキング付けは、世界各国でなされています。
そして、上位を占めるのは海外テーマです。
【参考】2021 最速WordPressテーマ11選(徹底的に計測テストを実施した結果)
海外で拘束テーマが多くなる理由は下のとおりです。
- 英語サイトは世界中からアクセスがある
- ↑(極端な話、アフリカからもアクセスがある)
- 距離もネット環境もバラバラなので、とにかく速度が命
上の理由と反して、日本語サイトは「大体同じ距離・同じネット環境」でアクセスされるため、それほどスピードにこだわる必要がないのです。
日本語テーマで高速なものは?
日本製のWordPressテーマでサイトスピードに定評があるのは「SWELL」です。
SWELLはデフォルトの状態でもすでに高速ですが、さらにサイトスピードを向上させる機能が数多く搭載されています。
- 動的CSSのキャッシュ
- ヘッダーやサイドバーなど個別コンテンツごとのキャッシュ制御
- 遅延読み込み(Lazy Load)の標準装備
- ファイルのインライン読み込み
- ページ遷移の高速化(Prefetch、Pjax)
表示速度を測る一番の指標である「Google Page Speed Insights」でも、PCで97点、モバイルで95点を獲得しています。(90点以上が出ていれば、十分な高速化ができています)
まとめ
今回の講座の要点を3行でまとめると、下のとおりです。
- テーマの選び方はコンテンツ管理の楽さが大切
- サイト運営に必要な機能が標準搭載されているかが大事
- 迷ったらSWELLを選んでおけば安心
次の講座では『おすすめのドメイン:エックスドメイン』について解説します。