「一芸は多芸に通ず」といいますが、WordPressの操作を覚えることで、関連する多くのスキルが身につきます。
具体的にどのようなスキルが身につくのかを説明していきます。
WEBサイト運営全般スキル
WPもWEBサイトであるため、WEBサイト運営に関するスキル全般が身につきます。具体的には下のようなスキルです。
それぞれのスキルの詳細は別パートで詳しく解説しています。
ライティングスキル
ライティングでは主に下の3つのスキルが身につきます。
基本スキル | 日本語力・表現力・説明力・編集力 |
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セールスライティングスキル | 「売る」ための文章力 |
SEOライティングスキル | 「上位表示される」ための文章力 |
基本スキル
まず、下のような文章の基本スキルが身につきます。
説明力 | 大抵は説明する文章なので「わかりやすく書く」能力が必要 |
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表現力 | キャッチコピーなど「文学性・芸術性」が問われる部分もある |
日本語力 | 正しい文法で、誤字脱字がない |
リサーチ力 | 入れるべき情報を調べる力 |
編集力 | 集めた情報、書いた文章を編集する力(音楽なら編曲) |
上記の基本スキルは、たとえば企画書や各種書類、関係者への手紙などを書くときにも役立つものです。
セールスライティングスキル
セールスライティングとは「商品やサービスを売るための文章を書くこと」です。
総合的な「ライティング」との違いは下のとおりです。
- 「売る」ことが目的である
- 「説明」や「集客」が目的ではない
「説明」をするのは普通のライティング、「集客」をするのはSEOライティングです(広告など他の集客方法ももちろんあります)。
セールスライティングでも「説明」をすることはあります。
しかし、それは売るための説明であり、先生のように「教えることが目的」ではありません。
セールスライティングは上級スキルですが、習得してしまえば身一つで生活していけるほど強力なものです。(学びたい方向けにセールスライティング講座もご用意しています)
SEOライティングスキル
「検索エンジンで上位表示するためのスキル」です。
他のライティングにない、SEOライティング独特のスキルは、たとえば下のようなものです。
- キーワードを中心に文章を展開させる
- Web独特の作法に熟練している(リード文やh2の文章など)
- スマホ表示で読みやすいよう1行の文字数を調整する
一番重要なのは「キーワードを中心に書く」ということです。
そのキーワードで検索しているユーザーの疑問や悩み、関心に寄り添って書くという、共感する力が問われます。
WEBマーケティングスキル
Webマーケティングのスキルでは、特に下の2つのスキルを獲得できます。
それぞれどのようなスキルか、どのように磨かれるのかを解説します。
SEOスキル
SEOとは、検索エンジン最適化のことで、「検索で上位表示するスキル」を指します。
WordPressでこのスキルが磨かれる理由は、SEOスキルは「サイトの運営を継続して初めて身につくスキル」だからです。
SEOのスキルを「勉強だけ」で獲得できることはありません。
必ずWEBサイトを運営を継続する必要があり、その継続をしやすいのがWordPressのメリットです。
ちなみに、順位チェックで広く用いられるツールの1つが、上の『GRC』です。
一番重要なデータはGoogleの「サーチコンソール」の順位ですが、GRCも用いることで、大量のキーワードの順位を追いやすくなります。
SEOのスキルが付くと、Google検索エンジンからあなたの商売やサービスに興味のある人を持続的に集客しつづけることができるようになります。
広告運用スキル
広告運用スキルもSEOと同じく「実際にLPやサイトを作り、広告を出し続けること」で磨かれます。
WPで簡単にLPやサイトを制作できれば、広告運用により多くの時間を割けます。
Webの広告は「リスティング広告」などがあり、GoogleやYahoo!の検索結果に表示されます。
たとえば、Googleで「コンドロイチン サプリ」と検索すると、下のようにテキストの広告と画像の広告が並びます。
一番上に出ている「大正製薬」の広告をクリックすると、下のようなLPが出ます。
出典:大正製薬ダイレクト
こうしたLPを広告出稿しているうちに、下のようなデータが集まります(Google広告の管理画面です)。
WordPressで作ったLPで広告を出稿し、新しいお客さんを集めたり、商品を販売して売上を立てていくことが広告運用スキルです。
このように、
- LPを作る
- 広告を出稿する
- 効果を分析する
という作業を繰り返しているうちに、広告運用スキルが身につくわけです。
リサーチ力
リサーチ力では、主に下の2つのスキルが身につきます。
それぞれ、WPでどのように身につくのかを解説します。
市場リサーチ
市場リサーチは、Webサイトなしでも行うことがほとんどでしょう。
しかし、Webサイトを立ち上げることで下記のデータからの市場リサーチができます。
- サイトにアクセスされたキーワード
- 広告出稿時のキーワード候補
①のアクセスキーワードは、Googleの「サーチコンソール」というサービスで、下のようにわかります。
1アクセスの小さなキーワードでもわかるため「思いがけない顧客の需要」にも気づきます。
上記は当然「サイトを作って初めて得られる」情報です。
広告出稿時のキーワード候補
これはGoogleの「キーワードプランナー」でわかります。
上の画像は「食事の宅配」で検索した結果です。
このデータをみることで、
- そのキーワードがどれだけ検索されているか
- いくら払えば広告を出せるか(どのくらいの金銭的価値があるか)
がわかります。
キーワードプランナー自体は、広告を出稿しなくても閲覧できます。
しかし、実際に広告を出しながら使うことで、より緻密な市場リサーチを行えます。
競合リサーチ
競合のWeb施策についてのリサーチ力が身につくと、下記の情報がわかります。
- Webマーケのレベル・手法(アクセス数・滞在時間・流入元など)
- ユーザーの属性(年齢・性別・地域など)
- アクセス解析ツール・出稿広告
それぞれ、どんなツールでわかるのかを説明します。
「Webマーケのレベル」がわかる(アクセス数・滞在時間など)
出典:SimilarWeb
『SimilarWeb』を使うことで、競合サイトの「Webマーケティングのレベル」がわかります。
- アクセス数
- 滞在時間
- 直帰率
- アクセス元
- 検索キーワード
- 各SNSの流入割合
このような競合サイトが知られたくないようなデータもツールで出せるのです。
ユーザーの属性(年齢・性別・地域など)
出典:Dockpit
『Dockpit』を使うと、競合サイトのユーザー属性がわかります。
サイトとリアルのユーザー属性は基本的に同じであるため、競合のユーザー属性がある程度わかるということです。
出典:同上
Dockpitの分析画面は上のようなものです。
「性別・年代・居住地域・都道府県」など、あらゆる角度で競合サイトのユーザーを分析できます。
アクセス解析ツール・出稿広告
出典:GHOSTERY
『GHOSTERY』では、競合サイトが使っているアクセス解析ツールや、出稿広告がわかります。
ここから、競合の広告戦略のうち「Webの部分」の情報をつかめます。
経営・起業全般スキル
ここまでのスキルは「経営・起業全般のスキル」にも通じます。
WordPressで身に付くスキルは、単なるサイト制作のスキルだけではありません。
もしあなたがこれから自分の事業を始めようとしている、あるいは小さな会社の経営者なのであれば、これまで紹介したスキルを磨いていることは売上貢献に直結するものになるでしょう。
具体的には、下のような点で経営・起業のレベルがより高いものになります。
自社・自店の強みが明確になる | ライティング |
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顧客需要に気づく | Webマーケティング・リサーチ |
顧客とのつながりを作り売上を構築する | DRMスキル |
このようにWordPressを用いることで、WPのスキル以外にも多くのスキルが身につきます。
なお、ここで紹介するスキル以外で「ダイレクトレスポンスマーケティング・スキル」も身につきます。専門性が高くなるため、このスキルについては別パートで解説しています。
まとめ
今回の講座の要点を3行でまとめると、下のとおりです。
- WordPressで身に付くスキルは5つ
- ①WEBサイト運営全般、②ライティング、③Webマーケティング、④リサーチ、⑤経営&起業
- サイト運営にとどまらず、あらゆる領域のスキルを伸ばせる
次の講座では『WEBサイトが動く仕組み』について解説します。