「WordPressの基本用語」の講座では「タグとカテゴリの違い」について説明しました。
違いはわかっても、実際に記事の投稿を始めると、タグは必要なのか(記事にタグを設定するべきか)で迷うことが多いでしょう。
結論からいうとサイトが一定規模に達するまでは不要です。
目安としては「50記事程度まではカテゴリのみで十分」といえるでしょう。
(それ以下で必要になる場合は、強く必要性を感じるきっかけが何かあるはずです)
この記事では「一定規模までタグは不要」という理由を説明します。
サイトが一定規模に達するまでは不要
実は、大手サイトでもタグクラウドは、設置しないサイトが6割ほどと主流になりつつあります。
例えば、ゲンダイと同じ週刊誌のWeb版である『デイリー新潮』は、下のようにタグクラウドがありません。
(サイト最下部まで見ても、個別記事で見ても同じです)
出典:デイリー新潮
『文春オンライン』を見ても、やはり下のようにタグクラウドはありません。
出典:文春オンライン
大手新聞社5社では、下記3社はありませんでした。
読売新聞と産経新聞はありました。
読売新聞は最下部の赤枠部分に一般的なタグクラウドがあります。
出典:読売新聞
産経新聞はヘッダーの赤枠部分に、小さめのタグクラウドがあります。
(いわゆるヘッドラインニュースとして、タグを用いています)
出典:産経新聞
タグは「目立たせたい小カテゴリ」に用いるべき
ここまで紹介した大手3サイトは、タグクラウドを下のように呼んでいます。
日刊ゲンダイ | 注目キーワード |
---|---|
読売新聞 | 注目ワード |
産経新聞 | 名前はないが、いわゆる「ヘッドラインニュース」 |
この名前の付け方からも、タグはカテゴリの枠を飛び越えて目立たせたい小カテゴリを、目立たせるために用いるべきといえます。
それ以外でタグを使うと「カテゴリとの違いが曖昧」になり、Googleから重複コンテンツ(コピーコンテンツ)と認識される恐れがあります。
新聞社ほどの大手サイトでもタグを使わない例が多いのですから、普通のサイトでやるとかなりの確率でコピーコンテンツになってしまうのです。
余談:「タグ=SNS」になったわけ
「目立たせたい小カテゴリに用いる」という用途を考えると、現代のWebで「タグ=SNS」(主にTwitter・インスタ)と認識されるようになった理由がよくわかるでしょう。
これらのSNSは、
- コンテンツを整理する気がまったくない
- 速報性やつながりやすさを最重視している
という特徴があります。
Web制作ではタグは「記事をつなげる」目的で使いますが、SNSでは「自分たちがつながる」目的で用いられています。
もともとサイトの各ページは「モノ」でしたが、SNSでは「人間」になっているのです。
その「人間=SNSユーザー」にとっては「コピーコンテンツ」などどうでもよく、自分たちが自由につながれるツールが欲しいのです。
タグはSNSの登場で、「人をつなげる」という従来のWebサイトにはなかった、新しい存在意義を見つけたといえます。
まとめ
今回の講座の要点を3行でまとめると、下のとおりです。
- タグは「目立たせたい小カテゴリ」に用いる
- 大手のニュースサイトでも使わないことが多いため、一般の商用サイトはほぼ不要
- サイドバーを賑やかにする効果はある
次の講座では『SiteGuard』について解説します。